近年海外移住先として挙げられることが多いオランダですが、実際に私も2023年夏に個人事業主ビサを取得し移住しました。
それまでヨーロッパは旅行だけで、実際に長期間住んだことがなかったので、移住してみて気づいたことがたくさんありました。
今回は、その中からいくつかポイントをまとめてみましたので、移住を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
おすすめポイント
ビザがとりやすい
海外移住したい!と思ったときに、まず問題として挙がるのがビザ。
ワーキングホリデービザが取得できる場合は、それほどの難関ではないかもしれませんが、現地で働きながら生活するためには、一般的に日本の企業に勤め駐在する、もしくは現地の企業に就職しビザのスポンサーをしてもらわなければなりません。
オランダでは、このビザが他の国よりも簡単に取れる方法があります。
それが「個人事業主ビザ」です。
これは、Dutch Japanese Trade Treatyという、オランダと日本の間で締結している条約によって与えられる特別な待遇で、日本国籍を持つ人に対して、一定額の資本金(€4,500)を持ってオランダで事業登録をすることを条件に、個人事業主ビザを発給してくれるというものです。
特に、既にフリーランスとして収入を得ている人や、海外でリモートワークができる人にとって、簡単にビザを習得できる方法で、近年ではこのビザでオランダに移住している人も増えているようです。
個人事業主ビザ取得までの手順と必要な準備はこちらにまとめています。
英語が通じる
海外といっても全ての国で英語が通じるわけではありません。英語が話せても、現地の言葉が話せないと現地の人とのコミュニケーションが取れなかったり、情報を得るのに苦労したり、と移住してから苦戦することがあります。
オランダでは基本的にはオランダ語が話されていますが、ほとんどの人が英語を話すことができます。当然、オランダ語を話せた方が良いですが、移住してすぐに話せなくても、英語だけでコミュニケーションをとることができ、日常に支障はありません。
また、オランダ語は英語に似た単語があったり、ドイツ語にも文法などが近いといわれているので、英語やドイツ語を習ったことがある人には馴染みやすい言語です。
旅行に行きやすい
オランダの首都アムステルダムにあるスキポール空港では、ヨーロッパのハブ空港ともいえるほど、日々多くの便が運行しています。日本(成田・関西空港)への直行便もあり、ヨーロッパの各都市へもアクセスが便利です。
また、ヨーロッパ圏内では、電車や高速バスなどのオプションも多く、近隣で複数の都市を訪れたい時などにおすすめです。
たくさんの国と文化が存在するヨーロッパですが、日本の都道府県間を移動するような感覚で国を越えられて、短時間かつ低コストで行くことができるので、気軽に外国へも旅行がしやすいです。
(比較的)治安が良い
現在アムステルダムに2年ほど住んでいますが、普段生活していて治安が悪いと感じたことはほとんどありません。
最近ではデモが活発なので、そういう場所にはなるべく近づかないようにしていますが、深夜に物騒なエリアを1人で歩くということでもない限り、事件に巻き込まれたりする心配はないかと思います。
また、アムステルダムやハーグなどは通年観光客が多く騒がしいですが、郊外やオランダの他の都市ではもう少し落ち着いたところもあるので、全体的に穏やかな印象です。
注意ポイント
ここからは日本(や私が住んでいた香港)と比較して、劣るポイントをいくつか挙げます。
税金が高い
ヨーロッパの大半に当てはまるところですが、税金が高いということが挙げられます。
所得税に関しては、2025年のレートだと€38,441までは 35.82%、€76,817までが37.48%、それ以上が49.50%となっており、所得の半分近くを税金として収めなければなりません。
引用:https://www.kvk.nl/en/finance/dutch-tax-rates-2025/
また、生活しているとその他にも様々な税金が世帯ごとにかかります。
ゴミ排出に対する税金、水の使用に対する税金、そして犬を飼っているだけでかかる税金というのもあります。
こうした出費が発生する度に、身の回りのたくさんのものに税金を払っているように感じてしまいます。
家探しが大変
香港での家探しが大変だったので(こちらで紹介しています)、オランダでは大丈夫だろうと思っていましたが、大間違いでした。
特に、2ベッドルーム以上が大半であるマーケットで、単身者にとって丁度いい間取り・広さの物件を探すこと自体がなかなか難しく、家賃を考えるとシェアせざるを得ないという人も少なくありません。
相場も近年は上昇を続けていて、私の住んでいるアムステルダムでは、1ベッドルームでも€1,800~2,000程度というのが現状です。
都市部を避け、それほど広くない場所であればもう少し抑えることも可能かと思いますが、中には収入の制限(年間の収入が一定の金額以上・以下でなければいけないという条件)があったり、なかなか良い条件の物件を探すのが難しい状況です。
また、物件の情報が出てから素早く動かなければ、競争が多すぎて、内見すらできないということも多々あります。
雨が多い・冬が暗い
オランダはイギリスと気候が似ていて、よく雨の降る気候です。
今天気が良くても、数分後に急に雨が降り出したりというほど、ころころと天気が変わります。
また、夏は日も長く、天気が良ければ、暑すぎず心地よい気候なのですが、冬は正反対に暗く、寒く、雨が多いため、憂鬱になってしまうほどです。
午後は3時くらいから徐々に暗くなりはじめ、朝も10時くらいまではなかなか明るくなりません。
このため、外を歩いている人も少なくなり、街も静まってしまいます。
慣れると気にならなくなるのかもしれませんが、日本とは違った日照時間の差や降水量に今だに驚きながら生活しています。
まとめ
海外移住をしてみたいという日本人にとって、オランダはウェルカムな環境で、住み心地も悪くないのではないかと思います。
しかし、長期的に住むことを考えた場合、移住してから後悔することがないよう、事前に充分に情報を得て、必要な準備をしておくことが大切だといえます。
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